この度、新たな当財団の事業としてSNSを活用した社会貢献事業を立ち上げました。
歌と映像で構成するDVDにより、観光や文化、芸術など幅の広い振興に寄与することができることを目的としています。
更に、そのグローバル化を図るため映像には英文のテロップを併記しました。
今回その第1弾が「芭蕉の見た富士」です。
日本を象徴する富士山を見に箱根に来ていただき、日本ならではの5・7・5の散文詩である俳句の素晴らしさを世界中の人に知っていただくために作成しました。
この事業のきっかけは、令和3年1月23日のNHKラジオ深夜便・明日への言葉「芭蕉に学ぶ美しい日本語と人生行路」で放送された作家及び精神科医の加賀乙彦(おとひこ)氏の対談を聞いたことです。
午前1時から5時までの番組で、この明日への言葉は、4時から始まり、寝ぼけ眼で聞いていましたが、何故か耳に残りました。
加賀氏は、1929年生まれで80歳になって芭蕉について自然を愛でる感性と奥深い日本語の使い方などを研究されたとのことでした。
そして、5・7・5の17文字という短い表現で日本語の美を体現していることに魅了されたとのことです。
芭蕉の読んだ「雲霧の暫時百景尽くしけり」や「霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き」について、独自の研究結果を話されました。
おそらく、芭蕉は住んでいる江戸の深川から幾度となく箱根を訪れ、富士山に霧がかかってもその心眼で幾通りの富士を見ることができ、そして、そのことが面白いとしたらしいとのことでした。
しかし、今日まで誰も「芭蕉の見た富士」を見た人はいないと結んでいました。
この談話を聞き、いつの日か「芭蕉の見た富士」を見てみたい私自身があり、また世界中の人にもチャレンジしてもらい、芭蕉の境地を体現してもらいたいと思いました。
終わりに、今回のDVD作成につきましては画像を優先し、メロディーラインや英訳などはあえてファジーにすることで「芭蕉の見た富士」をより幻想的なものにしたつもりです。
そして、このDVDを見て海外からも富士山を見に箱根に来ていただき、俳句の素晴らしさを知っていただくことに寄与できればと思います。